2009 – 2013年 ※ クリマにおける担当物件
臨海部の東雲で進められたキャナルコート地区に位置するタワーマンションの計画です。
高さ180mの超高層の建物であることから、検討の初期段階では都市の中でどのように見えるかを注意深く検討しました。キャナルコートでは「白」を基調とするデザインコードが設定されていました。ところが、日本は湿度が高い気候のため遠方から望むと外観が灰色に霞んで見えます。そこで、遠くからも「白」が印象的に見えるよう、隣り合う色同士に明度対比を設けたカラースキムとしています。
垂直に重ねられた住戸からは様々な眺望が得られます。足元レベルでは豊富な緑を、中層階からは運河を、高層階からは果てしなく広がる空を眺められることから、デザインコンセプトを「EARTH FRONT TOWER」と設定しました。大地から空まで、グラデーショナルに地球を感じることのできる、外観デザインを目指しました。
建物の足元周りでは大地の温もり感じられるテラコッタタイルを用い、上昇するにつれてガラスやアルミパネルといった現代的な素材の割合を増やしています。各部材の色彩の関係性を調整する中で、最終的には建物全体で50色近くの色彩を展開することとなりました。カラースキムは全て数値で管理することで、再現性を担保しています。
プロジェクトが進む中で、外観にとどまらずインテリアにもデザインコンセプト「EARTH FRONT TOWER」を展開することとなりました。共用部のインテリアデザイン・アートコーディネーションに至るまでトータルなデザイン提案しました。